RECORD

Eno.367 フィリア・バルナルスの記録

日記47


「あーーーーー大分良くねぇ~~~~~~~~~」



本気で怒ってた。怒らせてしまった。
今一度、『親しき中にも礼儀あり』の言葉を叩きこむ。
怒らせたり、落ち込ませたりすることは本意ではないため。

人にとって都合がよく、愛らしい『あたし』を演じることが減っていて、意識が回らなくなっていた……は、流石に言い訳。
ただ、怒らせるということは『人に好かれる演技をする』自分にとって、失態に違いない。
それが、自分にとって大切な人のことであればなおさら。



「つーか、今の俺……あいつに甘えすぎてたな……
 気づかなかったのが恥ずかしいレベルで……」


「そんで何やってもいい、みてぇに考えてんのは流石に不健全すぎる。
 よくない。本当によくない



アプヤヤに「流石にやりすぎ」と、今のうちに言われていてよかった。
人から言われなければ、案外自分の『変化』には気づかないもの。
無意識のうちに起きていた悪い変化に気づけたならば、それを意識して修正すればいい。
軌道を戻し、在りたい己の姿へと戻る。


「ここに来て、レナータの存在のでかさを知ったな……
 あのど辛辣どストレート発言が恋しいぜ」




己を見つめ直す。そして、律する。
人は存外に簡単に裏切るのだと思い出す。
「嫌いにならない」という言葉に甘えないように。改めて行為の線引きを行って。
プライドが高いのだから、それを砕く発言を慎むようにして。
あとは。



「……自分のエゴでしかねぇもんを押し付けられんのも嫌だよなあ」



自慢するのはともかくとして。
それを褒めろ、と強制するのもよろしくないだろう。
褒めるの苦手って言ってたし。であれば殊更。
『なかなか』頑張ってる、って言われたのが悔しかったんだな、と思い返し。
努力は人に見せるものではない、という持論を掘り返す。

エクセキューターを使ったときに、嬉しそうな表情をしていたから。
自分がここまでお揃いになったら喜んでくれるだろうな、という。勝手な思い込みと期待。

あぁ、お揃いになりたかったのと。喜んでほしかっただけなんだな。



「よし、反省会終わり!
 残りの勝利回数を稼ぎにいくぞ!」




自己を顧みて。
終われば、いつものウサギになっていた。