RECORD

Eno.220 モルドの記録

二人の時間 25

「……」

「ただいま~。……読書中?」

「あらモルド、おかえりなさい。
 この国の歴史の本を、ちょっとね」

「ひゃ~、僕のお勉強に使った本より難しそう……」

「ここでは言葉の壁が無いから、読みやすいものよ」

「ふふ、楽しそうだね」

「えぇ、学ぶことは楽しいわ。とても」

「なら、帰ってからも、続けていいんだよ」

「……モルド?」

「また、学校に行かない?」

「いきなりね」

「きみは、肝心なところでわがままを言わないから」

「目的も無いのに」

「楽しむだけでもいいじゃない」

「お金がかかるわ」

「それくらい、頼って」

「ずっとあなたに頼ってばかりなのよ」

「僕こそ、きみにずっと助けられてる」

「そんなこと……」

「あるよ。だから、
 きみのしたいことも、応援させてよ」

「少し、考えさせて」

「前向きに考えてくれると、嬉しいな」

「……うん」


───────────────────────────

モルド
関係をはっきりさせないまま一緒にいたが、
少女の未来に踏み込む勇気が少し出てきた。

マギー
穏やかな時間を一緒にすごしてきたことで、
未来のことを考えられるようになってきた。