RECORD

Eno.280 キアネアの記録

師と弟子 - 2

「……師よ、今よろしいでしょうか……」


「またの機会はないほうがいいと言ったはずだが?」

「……まぁいい、何の用だ」


*ひん*

「あの……工房をこちらに移したいので
 お手伝いいただけないかと……」


「……あぁ」
「狭間の地で根を張っているあれか」

「お前が独力で移動させるのは……無理か」

「事情はわかった」

「お前と協力するより私が全てやったほうが早い。
 私の領域に一度根付かせて空間ごと切り取って送ってやるから、
 一時的に権限を全て寄越せ」


「…………はい」
「ありがとうございます」


「お前のためではないから礼は要らない」

「それで?」

「もう用が済んだならさっさと切ってほしいんだが」


(かなり機嫌悪いな……)

「わかりました」
「では、失礼します」


「今度こそ、もう連絡してくるなよ」


「…………はい」