RECORD

Eno.307 ルカ&ファーディの記録

帰還

……いつの間にか元の世界に戻っていた。
それも兄上の屋敷で目覚めた。
兄上にはもう一生会えないかもしれないと覚悟していたのに、
すんなり再会できてしまってなんだか肩すかしを喰らったみたいだ。

迎えに来てくれたファーディの話では、
僕は良からぬ人達にさらわれて囚われて、洗脳されかかっていた……らしい。
その間の記憶が無いから具体的にどんな事になっていたのかわからないけど。

なにがなんだかわからないし、諸々の後始末は兄上に任せるしかなかった。
それからお世話になりっぱなしで心苦しいんだけど、しばらく滞在もさせてもらった。
楽しい日々だった。まさか兄上に剣の稽古をつけてもらえる日が来るなんて。

そのあとは別れを惜しみつつもフラウィウスに送ってもらって、
僕たちはまた戻ってきた。
……大変だった時の記憶が無いから、単なる休暇みたいになってしまったな。

◆◆◆

外壁を吹っ飛ばしてドラゴンに変身してルカが囚われてる場所に突入、
不届き者相手に大暴れしてやった。
まずは生け捕りにさせて欲しいって仲間に言われてたから
その場で八つ裂きにするのは勘弁してやったが、
情報が取れればそいつらは用済みだ。特に首謀者は生かしておけねェ。
殺しは好きじゃねェがルカを守る為なら仕方ない。

助け出したルカはちょっと大変なことになってたが……。
声をかけても揺さぶっても何の反応もなくて、
廃人にでもされたのかと気が気じゃなかったが回復して良かった。
中毒になる薬物を使われたとかでもねェらしい。一安心だ。

さて、図らずも帰ってきちまった。
フラウィウスに戻る船を待つ間、ルカの兄貴に世話をしてもらえることになった。
ルカが剣や乗馬の稽古をつけてもらったり勉強をしたりして過ごす間、俺は屋敷の人間に魔法を教えてもらった。
土産に魔法の本を貰ったが、……本か……文字を読むの苦手なんだけどな。
そうだ、ルカに読ませよう。それがいい。読んだ後で内容教えてくれ。

この地で暮らすことを提案されたしそれも考えないでもなかったが、
フラウィウスの方が俺とルカにとって安全だと思った。
また時々顔を見せに来ることを約束して屋敷を後にする。
船酔いするルカを介抱しながらフラウィウスに戻った。
俺は酔わない体で良かった。なんだかんだ便利なんだよなこの器。

アレーナ特区の土を踏む。やっと戻れた。
またここで色々な恩恵を享受しつつ闘士としてやっていくわけだ。
改めてよろしくな、フラウィウス。