RECORD
Eno.367 フィリア・バルナルスの記録
『天津風 Ⅲ』
この世界において、身に宿した動物の力を「野性」と呼ぶ。野性によって自身の身体能力や得意能力が異なり、人間のそれを凌駕する。また、1つ何かしらの属性を所有している。
親の野性が子に受け継がれるが、どちらかの動物の種類だけが受け継がれ、タイプと強さ、属性は何となく受け継がれやすい傾向にある、といった程度だ。
野性のタイプは憑依型、共鳴型、契約型の3種類。
憑依型は宿した野性と同等に身体を一時的に変化させるタイプ。野性を示す文字列こと野性カルテではP(ポゼッション)で表記する。基本的には身に纏うように獣の皮を纏い、身体から離れると変化が保てなくなる。強い野性を持つ者は身体から離れてもそれが残る。肉体派の戦闘スタイルになりやすい。
共鳴型は自身の精神性を獣と同化させるタイプ。野性カルテではR(レゾナンス)で表記する。身体変化こそ起きないが身体能力は向上し、属性攻撃を巧みに操る戦闘スタイルになりやすい。
契約型は動物そのものを使役するタイプで、野性カルテではC(カヴァメント)で表記する。珍しいタイプであり、野性が守護霊のように存在し共に戦う戦闘スタイルを取る。
強さを示す数字は最低が1で最大が5。弱いほどコントロールしやすく精神的にも安定しているが、戦闘や野生能力の伸びしろが低い。高いほどコントロールが難しく精神的にも不安定になりやすいが、戦闘や能力の伸びしろが高い。
「……R1 W-Rabbit」
5歳と少しになったフィリアにも、ついに野性が発現し扱えるようになった。姉や母親と同じように風を生み、お揃いだ~! と、庭で姉と歓びを分かち合っていた。
発現した野性を確認し。母親が、父親に青ざめた顔で告げる。
「R1! たったのランク1の、それも共鳴型でしかなかったのよ!」
憑依と共鳴の差は、獣に変化するかしないかが全てだ。それが故に共鳴型を「憑依型の完全下位互換」と考える者もいる。憑依型であっても属性攻撃が得意な者は多いからだ。
つまりフィリアの野性は、戦闘には不向きとされるウサギであり、最も弱い野性ランクでしかなかったのだ。
「何故だ! 何でライオンの野性が発現しない! 2人もウサギだぞ!」
「これも全部あなたの野性が弱いからよ!」
「はぁ!? お前の野性がウサギのせいだろ! お前なんか俺の野性を持った子供を産む以外の役割なんかねぇんだよ!」
「何よそれ! あなただって野性ランクの低い獣の血だけが立派な雑魚なくせに!」
「なんだとこのクソウサギ!」
そんな両親のやりとりなどつゆ知らず、2匹のウサギは外で楽しく遊んでいた。
カミールにとっては、自分と同じウサギの野性を持つことが嬉しくてたまらなかった。強さなどどうでもよく、むしろ妹が戦いの道に進まないだろうことを喜んだ。戦わないのならば、危険な目に遭わないのだと思ったのだ。
「すごーい! フィリアちゃんも風が吹かせられるようになったね!」
「うん……でもお姉ちゃんみたいにぶわーって吹かないし、変身もできないや」
「私はランクが4もあるから……すぐに嵐みたいになっちゃうのも困るよ」
「お母さんやお父さん、それ見て喜んでたから……私も、こうやって風を吹かせられるようになったこと喜んでくれるかな」
「勿論だよ!」
その言葉は、笑顔で。心からの幸せを信じていた者の表情だった。
「だって、私がこんなに嬉しいもの。生んでくれたお母さんやお父さんが喜ばないはずがないよ!」
親の野性が子に受け継がれるが、どちらかの動物の種類だけが受け継がれ、タイプと強さ、属性は何となく受け継がれやすい傾向にある、といった程度だ。
野性のタイプは憑依型、共鳴型、契約型の3種類。
憑依型は宿した野性と同等に身体を一時的に変化させるタイプ。野性を示す文字列こと野性カルテではP(ポゼッション)で表記する。基本的には身に纏うように獣の皮を纏い、身体から離れると変化が保てなくなる。強い野性を持つ者は身体から離れてもそれが残る。肉体派の戦闘スタイルになりやすい。
共鳴型は自身の精神性を獣と同化させるタイプ。野性カルテではR(レゾナンス)で表記する。身体変化こそ起きないが身体能力は向上し、属性攻撃を巧みに操る戦闘スタイルになりやすい。
契約型は動物そのものを使役するタイプで、野性カルテではC(カヴァメント)で表記する。珍しいタイプであり、野性が守護霊のように存在し共に戦う戦闘スタイルを取る。
強さを示す数字は最低が1で最大が5。弱いほどコントロールしやすく精神的にも安定しているが、戦闘や野生能力の伸びしろが低い。高いほどコントロールが難しく精神的にも不安定になりやすいが、戦闘や能力の伸びしろが高い。
「……R1 W-Rabbit」
5歳と少しになったフィリアにも、ついに野性が発現し扱えるようになった。姉や母親と同じように風を生み、お揃いだ~! と、庭で姉と歓びを分かち合っていた。
発現した野性を確認し。母親が、父親に青ざめた顔で告げる。
「R1! たったのランク1の、それも共鳴型でしかなかったのよ!」
憑依と共鳴の差は、獣に変化するかしないかが全てだ。それが故に共鳴型を「憑依型の完全下位互換」と考える者もいる。憑依型であっても属性攻撃が得意な者は多いからだ。
つまりフィリアの野性は、戦闘には不向きとされるウサギであり、最も弱い野性ランクでしかなかったのだ。
「何故だ! 何でライオンの野性が発現しない! 2人もウサギだぞ!」
「これも全部あなたの野性が弱いからよ!」
「はぁ!? お前の野性がウサギのせいだろ! お前なんか俺の野性を持った子供を産む以外の役割なんかねぇんだよ!」
「何よそれ! あなただって野性ランクの低い獣の血だけが立派な雑魚なくせに!」
「なんだとこのクソウサギ!」
そんな両親のやりとりなどつゆ知らず、2匹のウサギは外で楽しく遊んでいた。
カミールにとっては、自分と同じウサギの野性を持つことが嬉しくてたまらなかった。強さなどどうでもよく、むしろ妹が戦いの道に進まないだろうことを喜んだ。戦わないのならば、危険な目に遭わないのだと思ったのだ。
「すごーい! フィリアちゃんも風が吹かせられるようになったね!」
「うん……でもお姉ちゃんみたいにぶわーって吹かないし、変身もできないや」
「私はランクが4もあるから……すぐに嵐みたいになっちゃうのも困るよ」
「お母さんやお父さん、それ見て喜んでたから……私も、こうやって風を吹かせられるようになったこと喜んでくれるかな」
「勿論だよ!」
その言葉は、笑顔で。心からの幸せを信じていた者の表情だった。
「だって、私がこんなに嬉しいもの。生んでくれたお母さんやお父さんが喜ばないはずがないよ!」