RECORD

Eno.187 ユリ・パルハニエミの記録

記録1

 
――思い返す。自由気ままに舞う煙を。



「忘れていたかったことを思い出した」


「ひとのしがらみのない、自由」


「それにどこか、憧れていた気がすることを」



――思い返す。靄のように不透明なきらめきを。



「不思議な子だったし、それ以上に親近感もあった」


「だって」


「どこか嘘を吐く時のボクに似ている」



――思い返す。月暈のようで鋭い金色を。



「いいひとだった。ひとじゃないけど」


「彼は随分、ボクよりもひとらしい」


「またのお茶会は……もしかしたら、たのしみ、かもしれない」



――思い返す。澄んだ海のようなこころを。



「…………」


「ずるいよ」


「みんなのこと考えてた時に」


「…………似てたから」


「おねえちゃんのこと、思い出しちゃった」






ひとつ。ふたつ。みっつ。よっつ。
空っぽの中に継ぎ足して。
不確かな器に注ぎ込んで。

そうして、それで、痛むのは、どこ?