RECORD

Eno.50 Liber·O·Igreedの記録

 南側のテラスは今日も賑やか。
 昨日は北側の席でデザートの山。
 一昨日も南側のテラスで談笑。
 四日前は初めて私闘をして……

「………」


「まずいな。全然報告書、書いてなかったわ」



 自伝になりかけの日記ばかり意識して忘れてた。
 よくまぁミカゼはマメにこれ書いてたなと思う。


「ヤベェ〜〜!!」


 怒られる前に書いておこう。
 ていうか何書けば良いんだ?

 うーん…… ミカゼは結構適当に書いてたのか……

――――――

業務日誌
 LIST-E6B889 聴劣化


 本日、全ライセンス履修終了。
 私闘はこれまでに二件。
 一戦目は力で分からせる為(分からされた側)。
 二戦目はビールの取り合いの末(全部取られた)。

――――――

「………マジで書くことがない……」


 めっちゃ負けてるなってことしか分からなさそう。

「……今日はC君が配膳をやってて」


「ロック君が調子悪そうで」


「リンドロンド君の名前を怒られたから直そうと思って」


「それを注意してくれたのがシアーナ君で」


「緑髪の人が飛ばした紙飛行機は海まで飛んで」


「フードの人とファーディ君に知り合った」



「断片的にしか書けないなぁ」



 しかも、今日の分でこの始末。
 やーめたって切り替えて。余白の多い日誌を提出した。

 軽薄さ。その通り。
 僕の手はこれ以上何も持てない。
 持てたとしても、持つ責任を負えない。

 もうじきやって来る終わりを迎えるだけさ。
 それに意固地になって抗ったって、苦しむだけだろ?

 使い捨ての魔導クローンに、死の恐怖はないもの。