RECORD

Eno.50 Liber·O·Igreedの記録

 とっても不思議な魔力石。大きな隕石としてやって来た、宇宙からの来訪者。

 それは、代償と引き換えに摩訶不思議な現象、『劣化』を引き起こしてくれるもの。
 その力を得られるのは極一部の人間だけ。
 けど、その人間が死んでしまっては劣化を行使する人も居なくなる。

 だから社会は、魔力石を取り込める人間を複製した。
 それが、魔導クローンの始まり。

 1年でほとんどが劣化によって。
 2、3年で事件事故に巻き込まれて。
 4、5年で石化や魔物化を引き起こして。

 命を落とす。
 僕らは短命な魔導クローン。

 最大記録は10年なんて言うけど、本当に『生きてる』状態だったのか疑ってるよ。
 そんなこんなで、僕も6年目。僕より年上だった奴も、僕と同い年だった奴も、もう居ない。

 ずっと居るのは、純人間のミカゼだけ。
 僕の昔を知ってるのも君だけになってしまった。

 けどまあ、言ってないこともあったし。
 この際だから書き溜めておこう。破るか捨てるかはミカゼ、君次第だ。

 出来ることなら、今は見付けずどこかの本の片隅に残された紙でありたい。
 君のトドメになるのは御免なんだよ。

 遅かれ早かれ、魔導クローンは死ぬ。
 僕は長生きしたほうだろ?

「なのに、さあ。
 君ってやつは、タイミングが悪いんだよ。」