RECORD
Eno.50 Liber·O·Igreedの記録
⨁
マイルーム。
それは魔導クローンにとっての憧れだ。
魔導クローンは組織の物品である。適切な管理の下、衣食住を保証する代わりに制限がある。
例えばそう、複数人の相部屋であるとか。
ウッドカットは20人くらいの魔導クローンが一つ屋根の下で暮らしている。そうなれば、個別の部屋など用意出来ない。
精々、純人間であるミカゼにだけ用意されるとか、そのくらいだ。
久しぶりの個室だ。
研究所以来じゃないか? あそこは聴劣化を一人しか用意してなかったから。
服をどれだけ掛けてもいいし、テーブルには僕の物を置きっぱなしにしてもいい。風呂の交代を気にしなくてもいいし、冷蔵庫の物が勝手に食べられることもない。
素晴らしい。素晴らしい自分の空間!
不意に、ノック音が補聴器を通じて聞こえた。
方向は分からなかったが、恐らく出入口から。

扉を開けても帽子しか見えなかったが、見慣れたそれだった。



僕の脇を潜って、ミカゼが部屋の中に入る。
気になったのはミカゼの持つ大きな荷物だったが、それを端の方に置いて大きく伸びをした。













僕の憧れは、一瞬で崩れ去った。
それは魔導クローンにとっての憧れだ。
魔導クローンは組織の物品である。適切な管理の下、衣食住を保証する代わりに制限がある。
例えばそう、複数人の相部屋であるとか。
ウッドカットは20人くらいの魔導クローンが一つ屋根の下で暮らしている。そうなれば、個別の部屋など用意出来ない。
精々、純人間であるミカゼにだけ用意されるとか、そのくらいだ。
久しぶりの個室だ。
研究所以来じゃないか? あそこは聴劣化を一人しか用意してなかったから。
服をどれだけ掛けてもいいし、テーブルには僕の物を置きっぱなしにしてもいい。風呂の交代を気にしなくてもいいし、冷蔵庫の物が勝手に食べられることもない。
素晴らしい。素晴らしい自分の空間!
不意に、ノック音が補聴器を通じて聞こえた。
方向は分からなかったが、恐らく出入口から。

「ん? ミカゼか」
扉を開けても帽子しか見えなかったが、見慣れたそれだった。

「部屋の様子を見に来たが、大丈夫そうだな」

「最っ高ーだよ! いやあ、僕はこういうのを求めてたのかもしれないね」

「そうか」
僕の脇を潜って、ミカゼが部屋の中に入る。
気になったのはミカゼの持つ大きな荷物だったが、それを端の方に置いて大きく伸びをした。

「それどうしたの?」

「これか? 俺の荷物だが」

「いや、何で僕の部屋にって事」

「置かせてもらおうと思って」

「は?」

「鍵も借りていいか?」

「は??」

「寝泊まりをするほどでもないが、武器の整備は必要だから――」

「いや、君、部屋借りてるでしょ!?
そっちでやれよ! 僕の部屋でやる必要ないじゃん!!」

「置き場がなくて……」

「来てすぐなのに!?!?」

「そういう訳だ。
毎日来るわけじゃないんだ、一箇所くらい貸してくれ」

「ああああヤダって言っても君は純人間サマだもんねぇーーーーっっっ
あーーークソ!!」
僕の憧れは、一瞬で崩れ去った。