RECORD

Eno.39 ウィーウムの記録

砂の国


今頃は確か、庭園の美しい花が咲く時期だった。
部屋の窓からよく見えたから覚えている。

緑も水もある砂の国。
砂塵舞う空と王城、豊かで活気ある街──
時々、まだそこに居る夢を見る。

私が国を去ったあと、父や母はどうしているだろう。
兄は……どうしているだろう。
もはや確かめるすべもない。

いつか、しばらく時が経ったなら、
国の近くへ赴き噂だけでも聞ければいい。
その頃には私の事など……
きっと、忘れられているだろうから。