RECORD
―波の音が聞こえている
やがて、隠れる様にして静かな橋の元へと辿り着けば、景色は固定され
赤い髪がさらり、と揺れた)


「…これで…見えてるのでしょうか……
ちゃんとかくにんしておくべきでしたね…」

「…ニアサマ
お手紙ありがとうございます。しゃしんも…ちゃんと届きましたよ
ほうこくがおそくなってしまってすいません」

「こっちは…えっと、いまさっき夜ご飯をたべました
ぴざってニアサマ知ってますか?
うすいパンにチーズや貝がのってるのです。パリッとしてておいしかったです」

「フラウィウスにもあったのでしょうか…
あまり、いろいろぼうけんしなかったので、わからないですけど……ニアサマの方にもあったら食べてみてくださいね
わたしはお野菜がのってるのがすきでした」

「こちらの世界は…わたしの居た場所とちがって…
なんだか人も多くて、しらないものがたくさんなので…毎日おどろいてばかりです」

「お昼にこわかったのも、ニアサマには伝わってしまったでしょうか…
…わたし…アレーナ以外の外はあまりなれてなくて…」

「人がたくさんになると、びっくりしてしまって…
あ、でもプリムラサマがいっしょなのでだいじょうぶです」

「はなれてしまっても、プリムラサマはきっと…探してくださると思うので…」

「………ぁ、もちろんわたしも離れない様にしますよ
えっと…わたしの最近はそういった調子で……あ、しゃしん…」

「みえますか?
とてもかわいいですよ。ニアサマは深い色のイメージがあるので、わたしと似た色でも合いますね」
写真を写し出しながら、子供の指先がそっと表面をなぞっていく。
あなたに痕をのこした位置。

「しゃしん…大切にしますね
たしか…たましい?が撮られちゃったりもするらしいので……あなたサマの一部を無くしてしまったら大変ですから」

「あとで、恥ずかしくなってしまっても返してあげないですから。ふふっ」

「……せっかくなので、少し歩いてかえりましょうか
いつもはあまり外見せれてないので…」

「ほんとうはあまり夜に出歩かない方がいいらしいですけど……すこしだけわたしに付き合ってくださいね
これならひとりのお散歩じゃないですし…」
固定されていた景色が動く。
視点が上がり、夜の街並みを映し出して

コツリ、子供の姿は街中へ消えて行った。