RECORD

Eno.640 金の男の記録

制圧

最悪だと、言葉を漏らす。
四肢は粉砕され、動く事など出来やしない。
目の前の男――黒のヴェルドンは黙ったまま、こちらを見下ろしている。
強すぎた。 知ってはいたが、自分では相手にならぬ、とまでいくとは思わなかった。

「貴様の負けだ。 ホープス」



そんな事は知っていると、声を出す。
どうにも出来ない。
封印だけはないだろうが、さてどうなるか。

そんな事を考えても、いやな事にしか考えが行かない。
だから、自分は賭けたのだ。

「ヴェルドン、頼みがある」



この堅物が、話を聞いてくれることに。