RECORD

Eno.339 アレスの記録

——夢を見ていた。

俺を抱く、温かい手。
血よりも温かくて、柔らかい。

「ああ、こんなに汚れて」
「この程度なら私に任せてもよかったのに」

「鎖が駄目になりましたね」
「新しくしましょうか」
「それとも」

——もう、わかってくれた?

「うそついてごめんなさい」
「汚して、ごめんなさい」

「████を、傷つけたくない」


「傷つけたくないなら」

「ちゃんと私の愛をわかって、それだけ」


わかっている、つもりだった
受け止めるだけの勇気がなかった

だってこんな、壊すことしかできないのに

こんなに簡単に、許されて、受け入れられて。



——目を覚ますと、隣には愛しい人が眠っていた。