RECORD
Eno.76 ニアの記録
―氷の割れた音がした
起床と共に送られていたのは、煌びやかな包み。
一瞬 本当に一瞬
サンタさんが自分にも戻ってきたのかな…と思って
けれど、冷たい空気に夢から覚めて
それならこれは何だろうと、頭をクリアにすれば見覚えのある色。
あの人に隠すように悪い子は、包みを持って寝間着のまま
雪降る森へと身を隠した。
手にはいつものペンダントを持って。



ニアサマ色々な服を着るの好きですよね。やっぱり女の子だからでしょうか、と零れる笑みは穏やかなもの。
寒さに指先は冷たくとも、気にせずに手紙に目を通していく。


かつての私が、そんな小さな親子の繋がりにでも縋ったくらいに。

川に張った氷が小さく音を立てて
寒さで思考は随分と軽やかに回って


見ないフリしていても何も分からない訳じゃないから
余所見してたでしょう?
私の事も星屑にしようとした?
目を摘んでも効果が無いなら、次に貴方が捧げてくれるのはどこなんだろう。
捧げても信じるとは言っていないけれど
信じても愛するとは言っていないけれど
私はあの人の特別を守りたいだけだから
特別を分けての声がね、鳴りやまないの。ねぇ

手紙を閉じました。
ペンダントを服の中へと仕舞い込みました。

夜に出かけると言ったら、あの人は心配してくれるでしょうか
好きにしていいと見送るだけでしょうか
もしも、もしも……毎年決まった時間に誰かと会いに行ったら、いつか行かないでと手を握ってくれるでしょうか。離れてる間も私で満ちてくれるでしょうか。
でも、気にするのはまた私じゃなくて相手の事でしょうか
考えなきゃ、考えなきゃ。私のしあわせをなる為に。欲しいものの為に。遺していくものはちゃんと選ばないと、きっと正しく壊せないから

パリン と氷の割れる音に視線をあげて
家の中へと戻って行きました。
一瞬 本当に一瞬
サンタさんが自分にも戻ってきたのかな…と思って
けれど、冷たい空気に夢から覚めて
それならこれは何だろうと、頭をクリアにすれば見覚えのある色。
あの人に隠すように悪い子は、包みを持って寝間着のまま
雪降る森へと身を隠した。
手にはいつものペンダントを持って。


「これは……写真…あ、アルバムでしょうか…」

「…ふふっ
サンタさんなのにトナカイさんです…」
ニアサマ色々な服を着るの好きですよね。やっぱり女の子だからでしょうか、と零れる笑みは穏やかなもの。
寒さに指先は冷たくとも、気にせずに手紙に目を通していく。

「家名……あ、ニアサマそれも無かったのですね
表札作る時に不便そうです…」

「ニアサマが気に入ったのならどうぞ
同じ響きがあるのも、子供は嬉しいものだと思いますから」
かつての私が、そんな小さな親子の繋がりにでも縋ったくらいに。

「一晩……」
川に張った氷が小さく音を立てて
寒さで思考は随分と軽やかに回って

「…いいですよ」

「ちかい内に…ニアサマを呼びますね
月がきれいな日がいいでしょうか」
見ないフリしていても何も分からない訳じゃないから
余所見してたでしょう?
私の事も星屑にしようとした?
目を摘んでも効果が無いなら、次に貴方が捧げてくれるのはどこなんだろう。
捧げても信じるとは言っていないけれど
信じても愛するとは言っていないけれど
私はあの人の特別を守りたいだけだから
特別を分けての声がね、鳴りやまないの。ねぇ

「呼ぶので、ちゃんと…来てくださいね」
手紙を閉じました。
ペンダントを服の中へと仕舞い込みました。

「……」
夜に出かけると言ったら、あの人は心配してくれるでしょうか
好きにしていいと見送るだけでしょうか
もしも、もしも……毎年決まった時間に誰かと会いに行ったら、いつか行かないでと手を握ってくれるでしょうか。離れてる間も私で満ちてくれるでしょうか。
でも、気にするのはまた私じゃなくて相手の事でしょうか
考えなきゃ、考えなきゃ。私のしあわせをなる為に。欲しいものの為に。遺していくものはちゃんと選ばないと、きっと正しく壊せないから

「……」
パリン と氷の割れる音に視線をあげて
家の中へと戻って行きました。