RECORD

Eno.34 クロンの記録

すっかり暗くなった街の外れで

「ふぅ…まぁた気にしてんのかね、俺は。」

涼しくもあり、当たり続ければ寒くもありそうな夜風に吹かれる

「ここに来た奴らに聞きもしたが、収穫はねぇな。ま、雲を掴むような話だもんなぁ。知ってる奴が居たらそりゃ奇跡だろうに。」

いつもこうだ。真剣に考えれば考えるほど、酒を飲もうが何をしようが、こんな日はまるでふざける気になれない。
調子を合わせるくらい訳ないが、入り浸る内に何れは気付かれてしまうかもしれない。

「……まぁ、まだまだ時間はあるはずさ。焦るなんざ俺らしくもねぇ。ここの武器が割と手に馴染むから助かったぜ。」

手頃な木の幹に腰掛け、目を瞑ってみる。きっと眠る事は叶わないだろう

「……こっちにも、お前みたいに元気で、純粋で、俺のことを慕ってくれる奴がいるんだ。いつか、会える時にゃ紹介してやりたいくらいだぜ。って、そんな事したらお前は怒るかもしれねぇな?ハッハ……

……お前にゃ許してもらえねえかもしれねぇが、それでも会いたいんだよ。???。なぁ、今どこにいるんだよ━━━」

決して人前では見せない表情、出すことのない弱気な声。虫の合唱に掻き消され、ここでも誰かに聞かれる事はなかっただろう……