RECORD

Eno.53 オルヴァン・フォンスの記録

足跡の先

ユーリ、それは村にいた未来を知る事が出来るだけの村の少年だった。ただ、そんな彼を神の代理人どころか彼自身を信仰する事で神にする計画があった。
少年は毒を飲んで死ぬ事となった。
リコリス、それは村にいた平凡な少女だった。ユーリの一件から彼女を女神に仕立て上げる為に彼女に様々な痛みと苦しみを与えた。
彼女はそのまま亡くなった。
テレーゼ、それは村にいた平凡な少女だった。しかし、ユーリのバックアップとして育てられた彼女は何にもなれず、死に損ない、生きた身代わり人形として生きていた。
彼女はとある地で力尽きた。

「テイアス神にも、そして我等が…白竜様に対してもそれは大きな冒涜だった……それでいて、まだ生贄を生み出すつもりですか」
「っ……フロレーヌ騎士団の…亡霊め…っ!」
「何とでも言うと良い、私が知らないと見誤った事が全ての間違いだ」
「……貴様如き子供には、何も分からないだろうな…!」
「分かる」
「分からんさ!」
「分かる………捨て駒の、生贄の痛みは」
「!」
「だから、せめて安らかに──」



「………」
「長官…」
「まさか、亡霊に目をつけられるとはな…」
「…本物の、神の後ろ盾がなければ私達は勝てません…長官」
「その為に俺はその計画の中核とされたのだろう……失敗は許されない」
「ただ、その為のゲート…それに相応する魔力はどうなるのでしょう。長官の身が持ちません」
「……それに関しては、何やら考えがあるらしい。どうあれ俺の身の心配をしている時間も惜しい」
「長官…」
「亡霊に、悪魔に……そして、我々に……騒々しい時代に生まれたものだな」
「………長官、私は…長官の意向に従います」
「当たり前だ。従わん者に用はない。……行くぞ」


・オルヴァン・フォンス
彼の魔力特性にあるのは“寄せる”能力。
文字通り、魔力を寄せる物だがそれはいわゆる超能力の様な遠隔の物を引き寄せる類とは異なる、魔力を寄せる事に意味がある。


「お前達の死を俺は忘れない」