Eno.10 エリオ・エリキサ

■ エリオ・エリキサ 無人島生活の記 その13 罠のこと

夜、岩場と森とに足を伸ばして罠を仕掛けた。
これで少し、暮らしに余裕ができるといいんだけど。食べ物を集めるのは難しいから……

マーティスさんとも話をしたけど……罠で動物を捕まえたとして、シメることはまた難しい。
それは、生き物はみんな他の生き物の命を奪うことでしか生きられないんだと頭ではわかっているのに、血を見るのは怖いように心ができているからだ。
ボクたち魔族だって……痛いのはいやなんだ。
それなのに……ニンゲンを皆殺しにして、自分たちだって滅ぼしてしまおうとするほどの戦争をやってみせるのはなぜなのか、ボクにはまだよくわからないけれど……

ここに来てもう4日目……
あのボトルメールによれば、7日に一回は船が来るんだって。
そろそろ来てもおかしくない頃なんじゃないかって思うけど……