Eno.10 エリオ・エリキサ

■ エリオ・エリキサ 無人島生活の記 その16 とても慌てた夜のこと

拠点でのんびりしていると……マーティスさんが大ケガをしたヒトリンさんをかつぎこんできた。
なんでも、一人でイカダに乗って海に出たらしい……波にさらわれてしまったんだ。
どうして一人っきりで、そんなことを……

さいわい、応急処置のキットを作ってみたところだった。
それで手当をしたら……なんとかヒトリンさんは目を覚ました。
でもだいぶ弱ってしまっている。
こんな無人島じゃ点滴だって使えない。どうにか水と食べるものは確保しておいて、体力が戻ることを信じるしか……
ボクは薬師になろうとしてるってのに……こんなとき、ろくに力にもなれないなんて。