Eno.10 エリオ・エリキサ

■ エリオ・エリキサ 無人島生活の記 その19 待つこと

浜辺を通りかかるたび、しばらく立ち止まって海を見つめる。
ひろったメガホンを片手に。
そこにもしも動くものがあったら、すぐに呼びかけられるように……

今日で確か、5日目だ。
生きてはいられるけど、できるだけ早く船が来てほしい。

船が何日かに一度通りかかるってことは、多分定期便が出てるってことで……この島はその航路の近くにあるんだろう。
この世界には、どんな大陸や国があるのかな……
助けてもらってもすぐにふるさとに帰れるわけじゃない。
『光』で別な世界に行った人の話だと、言葉は決まって通じるらしいから、なんとかやっていけると信じたいけれど……