Eno.241 ひとつの星

■ シリウスに関するここまでの記録

 この島に辿り着いてから僅かの時間で、犬は拠点から大声で吠えたことにより、この島はわおーん島と名付けられた。
 そして、初めに親交が深まったのがリーだ。リーから「シリウス」そして「相棒」という名前を与えられた。
 ちなみに「スケベ犬」は認識してない。
 今田とは、隠れんぼうをしている認識だ。体をいっぱい使って遊ぶのが、大好きだからだ。


 拠点で開かれた、第一回世界プレゼンの際に、シリウスは紅信のカーディガンを嗅いだ。紅信が所持している菓子の匂いと、時計に興味津々の様子だった。
 同じ世界のものには、良好な反応というより、知っているもの、だからなのだろう。
 同日ハクから、シリウスの元飼い主と推測できる者(以下、元飼い主)が所持していた、長財布の中身を明かされた。(詳細は、日記タイトル:長財布の中身を、覗いて見ますか? - 2022-08-16 04:00:02)
 シリウスは現代世界の日本から、水に攫われてやってきたのだと推測される。
 元飼い主には『タカラモノ』があり、シリウスもまた、『タカラモノ』があるのかもしれない。
 シリウスは遊ぶのも、好きな様子だったし、撫でられるのも、好きだ。まいまいの推測から察するに、シリウスは元飼い主に愛されたのかもしれない。

 ハクには恐らくだが、まだ長財布を預けている状態だ。シリウスも、シリウスの――天とやらも今の長財布の行方は知らない。シリウスは長財布の行方を追っている。
 しかし、犬の優先度は、長財布よりも、生存が優先されている。なぜなら、犬にとってこの状況があまりにも『イレギュラー』だからだ。



 シリウスは現在も、今田と隠れんぼを一方的に楽しんでいる。
 8月14〜15日ごろ、シリウスは今田から、ハートがついた手作りネックレスをもらった。そのあとのネックレスは、ハクの近くに置いたろだろうか。
 8月16日ごろ、シリウスから今田に、濡れたノートとボールペンを預けた。それ以来、天がおばかさんで気づいていないなら、貰っていないと思う……。