Eno.10 エリオ・エリキサ

■ エリオ・エリキサ 無人島生活の記 その6 『光』のこと

道具もそろい、どこで何が手に入るかもわかった。
少なくとも、今日明日に倒れてしまうことはないんじゃないかって思える。
そうなると、ふと……元いた場所のことが気になってくる。
ボクをここに送り込んだのが、例の『光』なら……ここでの日々も向こうでは一瞬のことのはずだけど。

ボクらを異世界へさらっていってしまう『光』……
二年くらい前に、第二十二の『島』で現れたのが最初で……その時は『風船狐』のトトテティア・ミリヴェとそのパートナーだったクアン・マイサが巻き込まれていった。
ボクと同じくらいの歳の子が三回も『光』にあって、それぞれ別な世界を旅したって話も聞く。
名前は確か———サッコ・ベノ、だっけ。
きっとボクなんかとは比べ物にならないくらい強い子なんだろうな……