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▪︎ 起源と素性
白燐は、かつて山岳地帯で祀られていた白狐の神格存在である。
風や稲荷、薬草や狩猟守護など、地域ごとに異なる伝承を持ちつつも、
その“正体”は一貫して定かではなかった。
彼は神でも妖でもなく、ただ山に棲み、人の祈りによって「意味」を持たされた怪異である。
時代が進むにつれ信仰は薄れ、彼もまた、名前を忘れられたまま眠っていた。
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▪︎ 幽声との関係
白燐は、“幽声”という名が裏世界に再び響きはじめた頃、彼の存在に興味を持った。
曰く:

「あの人、何度も歴史の節目に顔出しては、討伐されてるよね?
……噂でしか知らないけど。ずいぶん粘るなって」
白燐にとって幽声は、危険でありながらも魅力的な「変わらない存在」だった。
やがて接触を果たし、常夜庁の設立期から情報支援担当として関わるようになる。
彼の記憶と嗅覚は、怪異の来歴や“人間が忘れた神話”すらも拾い上げるため、
庁内でも最古層の知識を持つ人物として重宝されている


ENO.756



