RECORD

Eno.115 古埜岸姉弟の記録

七尚の記録③

——5月11日。

「テンチュウじゃないのか?
 私が初めて聞いた時そうだったぞ」


「いや、テンムシだよ。
 テンチュウは聞いたことないよ私」


「嘘だろ、ずっと勘違いしてたのか?」


「いや、螺千城も広いからねえ。
 地域差とか、あるかもねえ」


テンバグの線は?」


「ないだろ」


「何でだよ! いるかもしれないだろ!
 幻のテンバグ派の生き残りが!」


「はいはーい裏の話はそこらにしときな」


「お昼ご飯だよ!」


「テン……むす!
 テンムシの話の直後によりによってテンムス!」


「はからずもテンチュウ派の私が勝利してしまったな……」


「これテンムシの肉?」


「んなわきゃあるかい!
 どう見てもエビ!」


「さっさと食べるよ〜」


「あ、母さん。その前に……」


「ん?」


「八千代、今日何の日だっけ」


「メイドの日の翌日!」


「ぃ痛っっって!!!」


「いらんボケをするな馬鹿が」


「母の日だよ」