RECORD
Eno.160 琉華院 いのりの記録





金魚は無言でヒレを動かしている。
それは慰めているのか、それとも呆れているのかはわからない。


金魚は何も言わずに紅茶を淹れる練習をずっと見守った。
茶葉をドバァと入れすぎたり、熱湯でちょっと火傷したり。
カップに注ごうとしてめちゃくちゃ零したり、何かぬるいなと思ったらカップを温め忘れたり。


果たして、お茶会当日までにちゃんと紅茶を淹れられるようになるのか!?頑張れ、いのり───!
楽しみと、ほんのちょっとの不安

「ひーくん、あのねあのね。15日にうちの学校のお庭でお茶会をやるんだよっ。」

「皆招待状をいっぱい配っててね、他の学校の人達もいっぱい来そうで。あたしもとっても楽しみ!」

「…………でもね、こんなに楽しみなのに、たった一つだけ不安なことがあるの。」

「……………………。」

「お茶の淹れ方がわかんないよ~~~!!」
金魚は無言でヒレを動かしている。
それは慰めているのか、それとも呆れているのかはわからない。

「日本茶とかはね、実家にいたときよく飲んでたけど……。でも、お家の人が淹れていたものだから。」

「で、でもでも!凛音ちゃんが紅茶の淹れ方のメモ書いてくれたから!
そのメモの写しの通りにやれば、きっとうまくいくはず。……多分。」
金魚は何も言わずに紅茶を淹れる練習をずっと見守った。
茶葉をドバァと入れすぎたり、熱湯でちょっと火傷したり。
カップに注ごうとしてめちゃくちゃ零したり、何かぬるいなと思ったらカップを温め忘れたり。

「アー」

「……………………。」
果たして、お茶会当日までにちゃんと紅茶を淹れられるようになるのか!?頑張れ、いのり───!