RECORD

Eno.691 名栗 攻介の記録

中学時代2

「お前たちには根性が足りない」
「俺の指導を完璧にこなせば勝てる」

これがコーチの口癖だった。
コーチの練習はとにかく苛烈を極めた。
朝は5時半に集合してひたすら走らされ
放課後は9時まで筋トレとスパーを繰り返す。

その間、コーチの罵声と怒号は止まらなかった。

「なんでこんなことも出来ないんだ」
「お前らは黙ってやればいいんだ」
「質問をするな、それくらい自分で考えろ」

この辺は未だに頭の中でコーチの声が再生できるほど聞いた。

正直、コーチの指導には疑問に思うことが多々あった。
コーチ自身はプロでも活躍したことがあるらしいが
(調べても名前だけであんまり情報は無かったが)
当時からこんな指導をコーチは受けていたのだろうか。

ミットもまともに受けれない。
ランニングはついてこない。
なんの効果があるのか分からない練習をさせられる。
それでも自分は黙って従った。

強くなりたかったから。

強くなれるなら、コーチがその方法を知ってるなら
この理不尽とも思える指導にもついていこうと思った。

そんな日々を先輩やクラスメイトたちと文句を言ったり
コーチのものまねで憂さ晴らしをしていた。
そんな日々が続いて、ついにコーチが暴力を振るうようになった。

三年生が大会の初戦を敗退したのだ。