RECORD
Eno.159 黒燿 璣翆の記録
01
幼少の頃憧れたのは魔法少女。
生まれた時からではなく、ある日突然運命が変わって"主人公"になった緑髪の女の子に夢中になった。
魔法なんてこの世界にはなくて。
どれだけ待ったって私の元に妖精が現れることなんてなかった。
主人公どころか主人公の友達にすらなれない。皆の輪の中心から少し外れたところで、絵を描いて過ごしていた。
小学生の頃は中学生のお兄さんお姉さんが随分と大人に見えていて憧れた。
いつか中学生になったら自分も大人びるのだと思っていた。
中学生になったって大人になるわけないのに。
小さい頃は高い方だった身長は伸び悩んで、いつの間にか周りに追い越されていった。
虐めを咎める正義感と勇気も持てなかった。別の子がそれを成して、虐めっ子は謝って和解して、その一連のドラマに私の入る隙間なんてなかった。
義務教育を終えた高校生に憧れた。
子供っぽい見た目から、何も出来ない自分から、何かに変われるかもしれない。そんな願望を抱いた。
緩くて温い付き合い。地味な黒髪の私は、誰と不和を起こすでもなく背景で笑ってるだけのエキストラだった。
成績だって中の上、ルールを破ったりもしない良い子。なんの取り柄もない冴えない子。
この広いだけで何も無い田舎を飛び出すことに憧れた。
環境さえ変わればなにか自分だけの特別に出会えるんじゃないかと思い込んでいた。
髪の毛を毛先だけ染めた。おかしいなら何時でも切ってなかったことにできるように。
毛先が緑色になったくらいで、人は変わることなんてなかった。それに地元では目立つどころか非難の対象になりかねないこの髪色だって、この街では有象無象の群衆のひとりとして溶け込んでしまうんだけど。
生まれた時からではなく、ある日突然運命が変わって"主人公"になった緑髪の女の子に夢中になった。
どれだけ待ったって私の元に妖精が現れることなんてなかった。
主人公どころか主人公の友達にすらなれない。皆の輪の中心から少し外れたところで、絵を描いて過ごしていた。
小学生の頃は中学生のお兄さんお姉さんが随分と大人に見えていて憧れた。
いつか中学生になったら自分も大人びるのだと思っていた。
小さい頃は高い方だった身長は伸び悩んで、いつの間にか周りに追い越されていった。
虐めを咎める正義感と勇気も持てなかった。別の子がそれを成して、虐めっ子は謝って和解して、その一連のドラマに私の入る隙間なんてなかった。
義務教育を終えた高校生に憧れた。
子供っぽい見た目から、何も出来ない自分から、何かに変われるかもしれない。そんな願望を抱いた。
成績だって中の上、ルールを破ったりもしない良い子。なんの取り柄もない冴えない子。
この広いだけで何も無い田舎を飛び出すことに憧れた。
環境さえ変わればなにか自分だけの特別に出会えるんじゃないかと思い込んでいた。
毛先が緑色になったくらいで、人は変わることなんてなかった。それに地元では目立つどころか非難の対象になりかねないこの髪色だって、この街では有象無象の群衆のひとりとして溶け込んでしまうんだけど。