RECORD

Eno.655 彼岸路 務慈那の記録

【一ヵ月前の事案「ナチュラルフィリア」について】

 調査データをフォルダ分けして保存する癖をつけておいてよかった、と思う。
 一ヵ月前の「ナチュラルフィリア事案」について、また掘り返すことになるとは。

 この事案は、表のムラヤマ自然保護区にて、植物と一体化するようにして死亡した動物の遺体が発見されたことに始まる。
 以前から場の神秘率上昇がたびたび観測されており、監視を強化していたことで一般への発覚は免れたが、犯人がネット上に作品を公表したことでリスクが顕在化。
 カバーストーリー「AI画像生成」の流布と、サーバー上のデータ削除による迅速な対処が行われ、同時に監視課の初期制圧部隊が招集された。
 この時点で、管理局は本事案の犯人を「ナチュラルフィリア」と呼称することを決定。表世界における神秘能力の違法使用と神秘事象の流布、二つの違反が認定された。

 その後、アザ―サイドコロニストとの連携によって、裏世界のアートヴィレッジに潜伏していることを特定。
 監視課の制圧部隊派遣により、この事案は終息するかに思われたが、制圧部隊三名のうち二名の負傷、一名の死亡、という結果に終わる。
 「ナチュルフィリア」は逃亡し、死亡した一名は植物と一体化した状態で発見された。

 制圧部隊の任務失敗により、管理局は「ナチュラルフィリア」の制圧を断念。優先排除対象として指定され、「黒装束の道化師スカラムーシュ」の派遣が決定された。

 と、ここまでが前段階。これ以降が実際に俺が担当した内容になる。
 このまま説明を連ねたいところだが、酒を飲んでいる途中に呼び出しを喰らったせいで一旦断念。
 目が滑って頭がうまく回らない。あまねちゃんに協力してもらって、より整理された内容になってから記録に残したいと思う。