RECORD
Eno.978 依帖 朋衛の記録
生前の記憶
じぶんが生前の記憶だと思っているこれは
どこまでが真実だろう
そう疑問を持ったのは、ひとつの拾い物をした後のこと
表世界の隙間から裏世界に流れ着いた雑多な物品が転がる路地裏で
大量生産品のプラカップが裏世界の力を浴び、神秘を帯び、異形に転じる
その瞬間を見た
元々はプラスチックだったそれは
目や口を備えた素焼きの茶碗のような姿をとり
自身を付喪神だと言った

彼は自身が九十九年の長い時を経た化生であると信じており
過去についてつらつらと語ったが
ぼくは彼がたった今生まれた存在であることを知っている
ここでは、自己認識も記憶も確かなものでは無いらしい
であれば、ぼくも、彼と何も変わらないのかもしれない
自分を元は人だと思い込んでいる虚ろか
そんな妄想に逃避する刀途におちた罪人か
なにも確かではない
どこまでが真実だろう
そう疑問を持ったのは、ひとつの拾い物をした後のこと
表世界の隙間から裏世界に流れ着いた雑多な物品が転がる路地裏で
大量生産品のプラカップが裏世界の力を浴び、神秘を帯び、異形に転じる
その瞬間を見た
元々はプラスチックだったそれは
目や口を備えた素焼きの茶碗のような姿をとり
自身を付喪神だと言った

彼は自身が九十九年の長い時を経た化生であると信じており
過去についてつらつらと語ったが
ぼくは彼がたった今生まれた存在であることを知っている
ここでは、自己認識も記憶も確かなものでは無いらしい
であれば、ぼくも、彼と何も変わらないのかもしれない
自分を元は人だと思い込んでいる虚ろか
そんな妄想に逃避する刀途におちた罪人か
なにも確かではない