RECORD
Eno.53 浅川 葵の記録
浅川葵
「葵、あんまり見たらアカンで。」
葵が7歳の夏の夕暮れ時、母の買い物について行った帰り道でそう言われた。
目線の先にいたのは、輪郭のぼやけた、顔のはっきりとしない、人形の、霧のような、『ナニか』
それは葵が神秘認識能力に目覚めてから、初めて目にした怪奇現象だった。
「知らん人にジロジロ見られたら気持ち悪いやろ。アレもおんなじ事思うてる。やからあんまり見るもんやないよ。」
「それと、知らん人に知らんところで悪口言われんのも気持ちええもんやないやろ。」
「やから、アレのことはおとんにも榊にも言うたらアカンよ。」
「おかんとだけの、秘密な。」
これが葵が母から受けた最初の怪奇への対処方法だった。
葵が7歳の夏の夕暮れ時、母の買い物について行った帰り道でそう言われた。
目線の先にいたのは、輪郭のぼやけた、顔のはっきりとしない、人形の、霧のような、『ナニか』
それは葵が神秘認識能力に目覚めてから、初めて目にした怪奇現象だった。
「知らん人にジロジロ見られたら気持ち悪いやろ。アレもおんなじ事思うてる。やからあんまり見るもんやないよ。」
「それと、知らん人に知らんところで悪口言われんのも気持ちええもんやないやろ。」
「やから、アレのことはおとんにも榊にも言うたらアカンよ。」
「おかんとだけの、秘密な。」
これが葵が母から受けた最初の怪奇への対処方法だった。