RECORD
Eno.232 月影誠の記録
5/14
学校ではカタバミの話とか、ザリガニはどこで取れるか、とか。
何でもない話の中に、ちょっとだけ生物のお話を混ぜていた気がする。
あぁ、あと京の頭に芋けんぴをセロハンテープでつける話もした。
日常の尊さを知っている。その日常に救われるものがあることを知っている。
人にはそれぞれが大切なものを持っていて。好きなものがあって。
そういった『日常』を、遠くから眺めているのが好きだ。
壊さない位置から。手を伸ばせない位置から。
そっと見守って、時間を共有して、楽しい雰囲気を守っていけたなら。
俺は、それがいい。
これ以上ない幸せがそこにある。
幸せな時間を眺めながら、俺はクロと一緒に笑い合えれば、それで十分だ。
―― そして。
ネム先輩から『あちら側』のバイトを紹介してもらった。
治安の悪い街で、お尋ね者を捕まえて突き出す……所謂賞金首を『狩る』アルバイトだ。
今まではアザーサイドコロニストからの仕事を受けて、必要があれば怪異を討伐してきた。
いよいよ、取り返しのつかないところにたどり着いてしまったなあ、と思う。
本能が、欲求が、衝動が。
螺旋城の空気が染みて、加速して。血を、命を欲して。
綺麗な花束を散らしたい。道を踏み外した者に末路を刻み付けたい。
哀れに藻掻く無様な姿ほど美しいものを、俺は他に知らない!

命を刈り取れないから、寸止めで待てをさせられて。
―― 殺せないから、加虐欲求が満たしきれない。
何でもない話の中に、ちょっとだけ生物のお話を混ぜていた気がする。
あぁ、あと京の頭に芋けんぴをセロハンテープでつける話もした。
日常の尊さを知っている。その日常に救われるものがあることを知っている。
人にはそれぞれが大切なものを持っていて。好きなものがあって。
そういった『日常』を、遠くから眺めているのが好きだ。
壊さない位置から。手を伸ばせない位置から。
そっと見守って、時間を共有して、楽しい雰囲気を守っていけたなら。
俺は、それがいい。
これ以上ない幸せがそこにある。
幸せな時間を眺めながら、俺はクロと一緒に笑い合えれば、それで十分だ。
―― そして。
ネム先輩から『あちら側』のバイトを紹介してもらった。
治安の悪い街で、お尋ね者を捕まえて突き出す……所謂賞金首を『狩る』アルバイトだ。
今まではアザーサイドコロニストからの仕事を受けて、必要があれば怪異を討伐してきた。
いよいよ、取り返しのつかないところにたどり着いてしまったなあ、と思う。
本能が、欲求が、衝動が。
螺旋城の空気が染みて、加速して。血を、命を欲して。
綺麗な花束を散らしたい。道を踏み外した者に末路を刻み付けたい。
哀れに藻掻く無様な姿ほど美しいものを、俺は他に知らない!

「―― あぁ、あの地上に堕とされて藻掻くカラス。
面白かったなぁ」
命を刈り取れないから、寸止めで待てをさせられて。
―― 殺せないから、加虐欲求が満たしきれない。