RECORD
Eno.203 犬奔 熒惑の記録
【犬奔 熒惑の日記】
今日は図書館の裏口に、新しい貼り紙が増えていた。おそらく警告文だと思うけど、肝心の真ん中が雨で滲んでいて、解読は叶わなかった。そのぼやけた文字を見ていたら、なぜだか胸の奥がざわつく。意味を持たない言葉ほど、人を惑わせるのかもしれない。
昼過ぎ、校庭で軽い運動をした。身体が鈍っているのを自覚する。脚が思うように動かないのは、きっと昨日の夜更かしのせい。風が強くて、眼鏡のレンズが薄く曇った。誰にも見られなかったことを祈る。
帰り道、閉店したままの書店の前で足が止まった。シャッターの隙間から、埃っぽい気配が流れ出してきた気がして。その瞬間、まるでどこか遠くで鐘が鳴ったような錯覚。立ち去るべきだと頭では理解しながらも、指先が鞄の中の本を無意識に探していた。
夜。部屋の窓辺に腰掛けて、遠くのネオンを眺める。静かな時間だと思っていたら、近所のアパートで何かが落ちる音が響いた。きっと偶然。きっと偶然だ。
ページをめくる音だけが、今日はやけに耳に残る。
昼過ぎ、校庭で軽い運動をした。身体が鈍っているのを自覚する。脚が思うように動かないのは、きっと昨日の夜更かしのせい。風が強くて、眼鏡のレンズが薄く曇った。誰にも見られなかったことを祈る。
帰り道、閉店したままの書店の前で足が止まった。シャッターの隙間から、埃っぽい気配が流れ出してきた気がして。その瞬間、まるでどこか遠くで鐘が鳴ったような錯覚。立ち去るべきだと頭では理解しながらも、指先が鞄の中の本を無意識に探していた。
夜。部屋の窓辺に腰掛けて、遠くのネオンを眺める。静かな時間だと思っていたら、近所のアパートで何かが落ちる音が響いた。きっと偶然。きっと偶然だ。
ページをめくる音だけが、今日はやけに耳に残る。