RECORD

Eno.53 浅川 葵の記録

浅川 葵

怪奇現象は意外にも身の回りでちらほらと起こっていた

風もなくたなびくカーテン
勝手に転がる鉛筆
どこで鳴っているのかわからないサイレン

ただそれらが怪奇現象だったのだと今まで認識できていなかっただけで、
それらはとても身近なものだったのだ

葵は母親から、徹底的にそれらとの付き合い方を叩き込まれる

気づかないフリをする
聞こえないフリをする
見えないフリをする
知らないフリをする

それらは常にキッカケを振り撒いているのだ

気づいたモノを
聴こえたモノを
見えたモノを
知ったモノを

捕まえて
取り込んで
ひとつになるためのキッカケを