RECORD

Eno.232 月影誠の記録

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3年生が突撃してきた。
俺が居るせいでこのクラスはザリガニクラスの偏見が大分あるっぽい。
いや、まあ……否定できないけど……
俺のせいでそういう偏見が生まれるのはめちゃくちゃ嫌……


…………
やっぱり俺がザリガニから卒業するしかないのでは?
ザリガニ釣りをやめるしかないのでは???
俺のせいでクラスの奴までザリガニの印象がつくのはめちゃくちゃ嫌だが???
というわけでなんか吠えたり泣いたり駄々をこねたり色々した。
俺が。

最終的に葛山にめちゃくちゃ熱く説得され、
俺はザリガニ釣りの趣味の自信と責任を背負うことにした。
なんて??????



夜は行く気は別になかったのに、
葛山に誘われてノーブル会のローズガーデンのお茶会に参加した。
京も一緒に行った。
なんかお嬢様言葉でしゃべるとか言ってたのに
葛山はさっさと諦めるし
言い出しっぺだったらしいシキは
そもそもやらなかったが???

「もう二度とやらへんですわ~~~~~~~~~~~!!」







―― 京という人物は。
知識に貪欲で、人に強い興味を示す怪異だと思っている。
この場合の人は「人間」を指し、人の築いた文明や知識、それらを好んで収集しているように思える。
それこそ知の集合体のような。
あらゆる理が群を成して形成されている一個体……のように、見える。
あくまで俺の勝手な印象であって、これが正しいわけではない。
そもそも怪異の『原典』など知るべきではない。暴いてはいけない秘密。
彼らにとって暴くという行為は、科学的に証明するという行動は。
すなわち、死を意味してしまうがため。

「クロやあの人が特殊寄り、ってのは覚えとかんとなあ」



だから、ちょうどいい。
見えないということは、獲物を捉えられないということ。
俺を一個体としか見ていない。たまたまそこに居た1だ。
だから関わっている。知を満たすために。
俺が居なくなったとしても、あいつは何も思わない。
傷になどならない。1が0になるだけ。たったそれだけ。


「いつか、俺が『あちら側』に狂って堕ちたら」


「あいつやったら、ゴミを見るような目で殺してくれるやろ」



「ありがたい命綱や」



真偽なんてどうでもいい。
分からないから、こっちが勝手に思い上がれる。