RECORD
Eno.67 黒井 瞳の記録
むかしばなし②
「……」
男は短刀を握りしめながら、地面に横たわる少女をじっと見つめる。
男は迷っていた。
少女を攫ったこと。そして、これから行う非道で残虐な行為。
たとえそれが、自分達の為だったとして……
それは、本当に正しいことなのだろうか、と。
「はぁ~~~…… 全く、情けないのぉ」
疑念に縛られ、動けなくなってしまった男に、老婆は大きくため息を一つ。
「貸せ」
男が握っていた短刀を乱暴に取り上げると、老婆は迷わず少女のそばへ。
「ばあちゃ――」
「黙れ、腑抜けが」
まさに蛇に睨まれた蛙。
老婆の真っ黒な眼球にギロリと睨みつけられてしまい、
男はさらなる疑念と恐怖で何もすることができなくなってしまった。
「もうええ、儂がやる」
動けなくなった男を尻目に、老婆は取り上げた短刀を振り翳し、そして――
「じゃあの、瞳よ
恨むなら……儂ではなく、■■を捨てて、貴様を作った母親を恨め」
勢いよく振り下ろした。
「にゃあ~」
何処からともなく、猫の鳴き声がした。
男は短刀を握りしめながら、地面に横たわる少女をじっと見つめる。
男は迷っていた。
少女を攫ったこと。そして、これから行う非道で残虐な行為。
たとえそれが、自分達の為だったとして……
それは、本当に正しいことなのだろうか、と。
「はぁ~~~…… 全く、情けないのぉ」
疑念に縛られ、動けなくなってしまった男に、老婆は大きくため息を一つ。
「貸せ」
男が握っていた短刀を乱暴に取り上げると、老婆は迷わず少女のそばへ。
「ばあちゃ――」
「黙れ、腑抜けが」
まさに蛇に睨まれた蛙。
老婆の真っ黒な眼球にギロリと睨みつけられてしまい、
男はさらなる疑念と恐怖で何もすることができなくなってしまった。
「もうええ、儂がやる」
動けなくなった男を尻目に、老婆は取り上げた短刀を振り翳し、そして――
「じゃあの、瞳よ
恨むなら……儂ではなく、■■を捨てて、貴様を作った母親を恨め」
勢いよく振り下ろした。
「にゃあ~」
何処からともなく、猫の鳴き声がした。