RECORD

Eno.706 如月 静空の記録

?_悪夢

 気が付くと、私は横断歩道の前にいた

 目の前の白い制服を着てる子は……
 小柄で長い三つ編みだけど、男の子?

「青になったよ。行こう」


 どうやら彼は、私の友人らしい
 私は友人とどこかへ出かけるのだろう

 どこへ?
 そんな疑問は“私”が答えてくれた

「やった! もうすぐ海だ~」


 海? あの海なのか?

 私の故郷の海は淀んでて、魔物がいて、恐ろしくて
 気候の変動で烏賊や蛸が暴れて術士が毎回討伐してる

 そんな、学生の子供達が喜んで行く所ではないはずだ

 でも私は楽しそうにしている
 白い制服の男の子を追いかけている

「……あれ」


 ずぶ、と足が沈む。まるで地面が底無し沼のように感じる
 男の子に助けを求めようとしたら、口を塞がれた

「え、」


 流石に異変を感じた男の子が振り向いて、
 私はなんとか這い上がろうと、藻掻く、沈む、藻掻く

「静空!? 今、ボクが、助けるから!」


 しかし彼が助けようと駆け寄った頃には、
 もう私は、とっくに息が出来なくなってて


 完全に引きずり込まれた瞬間、私の意識は途絶え

 崩れ落ちるように泣く、彼の声だけが響いていた



 これが、私の初めて見た悪夢だった