RECORD

Eno.691 名栗 攻介の記録

中学時代

殴り合うのが好きだった。

習った技と鍛えた力をぶつけ合うのが好きだった。

いつか空手界の荒龍と呼ばれた親父を超える。

月並みだけどそれが格闘技を始めたきっかけだった。

小学校までは親父の本部道場で練習をして中学からはキックボクシング部に入った。

友達も入ると言ってたし道場には同年代の子がいなかったから部活動は入る前からワクワクしてた。

キックボクシング部は全国に8校しかなく、入った部は毎年下から数えた方が早いような成績だったが、それがかえって自分の力で全国優勝させるっていうモチベーションになった。

練習はお世辞にも厳しいとは言えなかったが、その分自主練をすればいいし何より先輩や友達とバカをやりながら過ごす時間は楽しかった。


入部してすぐのことだった。

それまでは顧問の先生が指導を担当していたがその年から専属コーチが入るようになった。

マイナーな部活にコーチが入ったことで部内には色んな噂が飛び交った。

学校に何でもいいから全国優勝の肩書が欲しかったから

誰かのコネ

何かの試験的な試み

当人に直接訊くわけにもいかないから結局は謎のままだった。

そしてコーチが指導するようになってから
部活からは徐々に笑い声が消えることになる。