RECORD
Eno.587 坂本天音の記録
土のにおい
暗いところは平気だ。目が見えにくいだけ
けれども、地下はダメだ。どうしても思い出す
昔、親戚達に落とし穴に落とされて、埋められかけた
死体の子は土の下がお似合いだと
抹香の臭いがするから埋まってしまえと
途中で向こうが飽きたのか力尽きたのか、完全には埋まりきらず。なんとか這い出てそれから殴り倒してやったものの、それからはどうしても地面の下を想像するだけでもおぞけたつ
暗くて狭くて圧迫されているようで
少しだけ覚えのある感覚
脳の裏側を引っ掻くような不快な感覚
時々、うっすらと思い出してしまうのだ
土の下の光景を。見知らぬはずの女の死体が、きっと俺の母親が赤子の俺を抱いている姿を
見たことないはずなのに、なぜか分かってしまう
土の下に入れば、さらに何か思い出しそうで。それが怖い
けれども、地下はダメだ。どうしても思い出す
昔、親戚達に落とし穴に落とされて、埋められかけた
死体の子は土の下がお似合いだと
抹香の臭いがするから埋まってしまえと
途中で向こうが飽きたのか力尽きたのか、完全には埋まりきらず。なんとか這い出てそれから殴り倒してやったものの、それからはどうしても地面の下を想像するだけでもおぞけたつ
暗くて狭くて圧迫されているようで
少しだけ覚えのある感覚
脳の裏側を引っ掻くような不快な感覚
湿った土の雨に似た臭いがしたような気がした
土の下の光景を。見知らぬはずの女の死体が、きっと俺の母親が赤子の俺を抱いている姿を
見たことないはずなのに、なぜか分かってしまう
土の下に入れば、さらに何か思い出しそうで。それが怖い