RECORD

Eno.701 舞霧縁華の記録

燃え尽きた過去

――…時々、夢を見る。

私も、お姉ちゃん…蒔花も小さかった頃の夢。
まだ実家の大きな家にいて、
両親も祖父母も健在だった頃のお話。

あの頃は…まぁ、幸せな部類の人間だったと思う。
両親の仲も…特別悪いとかまでではなかった。
ただ、ちょっと嫌だったのは勉強や稽古が厳しかった事。

…舞霧家 遥か昔から密かに呪術を用いて栄えてきた一族。
私は、そんな一族の■■■■■。
父や母にも口酸っぱく
『お前は■■■■■なのだから、蒔花より頑張らないとダメだ』
そう怒られていた。

蒔花…左右の何方かについたリボンでしか両親も私達を判別出来ない
それくらい瓜二つで、一緒にいるのが当たり前だった私の片割れ。
それなのに蒔花は随分と楽しそうに遊んでいたり、
お菓子やジュースを飲んでいることが多かった。
時々稽古に参加したと思えば父も母も蒔花ばかりを褒めちぎって
私に対しては『もっと頑張りなさい、■■■■■なのだから』
『人より何倍も努力しなさい、■■■■■なのだから』
…そればかり。

何時も何時も比較されて、私ばかり厳しくされて
私だって好き好んで■■■■■に生まれたわけじゃないのに。
だから蒔花が悪い訳じゃないのは分かっていたし、
子供ながらも大切な片割れなんだからと思う気持ちもあったけれども

…きっと、あの頃が一番蒔花の事が嫌いな時期だった。