RECORD

Eno.608 五稜 拓海の記録

好きなアイス談義でダッツを出す奴は分かってない

「この前、隣の部屋のおばあちゃんのお見舞いによく来る真理子ちゃんが大きくなったら看護婦になりたいって言ってたんですよ」


「ほーん、ええやん。」


「だから私は看護婦なんて夜中に一人で病院を見回りしたり、生意気なジジババの相手をしないといけないと現実を教えたのです。」


「やめーや!子供の純真な夢壊すな!」


「子供の夢なんてコロコロ変わるし大丈夫ですよ」


「まあ、ガキなんかそんなもんやけどさあ」


「夢は呪いなんだぜ…たー坊。叶わない夢に捕らわれた人間の末路は悲惨なものさ」


「知ったような口きくけど、お前の夢ってじゃあなんだよ」


「パピコを一人で全部食べる事です」


「しょぼ!」


「だって、なんかあれ買うともう一つを相手にあげなきゃいけない空気でません?」


「言いたい事は分かるけど、それなら相手のアイスも要求できるやん」


「相手がスーパーカップとかなら、一口だけとかが精々じゃないですか。間接キスみたいになるし」


「まあなあ、そう思うと相手だけ得してる感じになるよな」


「でしょう?一口のアイスでパピコ一つはサメトレですよ」


「つーかなに?真理子ちゃんにパピコサメトレされたん?」


「子供は悪魔ですからね…歳が低いだけですべてが許されると思っている」


「大人げねえなあ、それで腹いせに未来の看護婦を一人減らしたんか」


「私の夢を奪いましたからね。これでお相子です。」


「でもお前さ、この前俺のチューペット半分をピノ一つで交換しろって言って来たよな?」


「・・・・・・たー坊、過去の事に捕らわれちゃいけねえぜ。未来を見て生きて行かないとなあ」


「やかましい!病弱の癖に食い意地はりやがって」


「それじゃあ、貴方の夢はなんですか?私のパピコより崇高な夢があるんでしょうね?」


「・・・別にねえな」


「嘘つけ可愛い女の子と一発やりたいとかそうゆうのでしょう?ケダモノめ」


「それは願望だよ!夢とはちげーだろ!」


「うわっ願望とか引くわー。」


「っせーなぁ!夢だのどーだのキラキラした学生なんかくそくらえなんだよ!」


「文化祭ではしゃぐ女子もそれを意識して頑張る男子も見てらんねー」


「貴方は斜に構えて文化祭だの合唱会だのは,ちょっと男子ぃ~って言われて女子を泣かしちゃう系ですもんね」


「甘いな、俺はそれウソ泣きだろって追求して以来中学時代総スカンくらってたぞ」


「目も当てられませんね・・・。」


「夢も無い哀れな茶髪モンキーなら、私の夢を一緒に叶えていきます?」


「お?ぉーん、お前とならなんでも面白いだろうな・・・まあ?どうしてもって言うなら?付き合ってやっても?」


「じゃあどうしてもパピコが食べたいので買ってきてください。ダッシュダッシュ」


「嵌められた?!」