RECORD

Eno.1015 灰原 よたの記録

天体観測_08



────何をしたいんだろう?
























/Eno.14さま・当該ログをお借りしております



















荘厳なチャペルの風景。光差すステンドグラスに描かれた絵の内容を僕は知らない。
知らないことに悔やむ機会が、この街に来てからはとても増えた。


最初、それこそ来てすぐ、1ヶ月くらいだろうか、
僕にとって、自由の兆しとなる場所───ここは、そうなるはずの場所だから。
大きな駅やモノレール、ビルの並び、バスターミナル、色鮮やかな街灯と店看板、
学舎に教室、それからもちろん、多くの人だかり。

そうした、全てが、目新しく、きれいなものに見えた。






多分、今もまだ、意識すれば。
裏世界を知って、広がりを見たから、喜べている。理解できている。






でも、その度に息苦しさを覚えるようになってきた。
人だかりは眩暈がする。遠目から眺めていると人の不自然な行動が目につく。
それは本当に不自然なのか、自分の知る常識と世界の常識、
どちらが正しいのかわからなくなる。



───祭りや喧騒を、賑やかな景色を嫌っているわけじゃない。


これも。わかってもらえるか、わからないけど。






友達が増えてきた。『友達』と呼べば、それは友達になる。
だから、そうしている。
人と連絡を取る。誰も、どういう連絡を取るのが正しいのかは教えない。当然だ。
だから、友達らしさ、を、探している。






途方もない、海の中を潜っているような、息苦しさが、ある。



























       「天にまします我らの姉弟たちよ、
        その御名を前に、どうか私どもの心の情念をお聞きください───」
       














荘厳なチャペルの風景。それを前にして、僕たちは祈った。


白状する。
僕が目を瞑ったのは、ほとんど最初だけだ。



まずは、彼女の表情を見た。
次にチャペル内を、最後に、ステンドグラス越しに天を仰いだ。
それが、礼として適切でないことは知っていた。



だけど僕は、観なければならなかった。






















                   「斯く 在れかし」                   





















───そのようであるように。


捧げた祈りに従うなら、僕は、目を瞑るべきではない。
僕は、知らなければいけない。
息苦しくとも、外れていても、他者の目から見て、正しさに、欠けるとしても。






彼女の顔を見た。夢を持つ者の顔だった。
人の子の顔をしていた。天に祈り捧ぐ者の顔を。



『友達』であり、今は、敬虔な信徒である彼女を。
見つめる使命があった、のだ。















息苦しさを覚える理由も、『友達』を増やす理由も、星を観る理由も、
結局のところは同じだと僕は考えている。
行き着くところはひとつで、ただ、アプローチのかたちを変えているだけ。




何をしたいんだろう。


僕は、祈ることで、ひとつ答えに近しいものを得た。
















































は、観ている。