RECORD

Eno.115 古埜岸姉弟の記録

七尚の記録④と

「八千代、コロケーションバスってあるだろ」


「あ〜あるある。
 結局使ったことねえな。
 無料だから混むかもしんねえって心配してさ」


「あれの運転手と話す機会があったんだが、
 ちゃんと本数あるからそうでもないらしい」


「バス乗らずに運転手と話す機会とかあるんだ」


「いやまあ、裏でな」


「裏運転手」


「実際裏運転手だった。
 怪奇のバスいた」


怪奇のバス!?
 俺も見てえ〜〜それ」


「SURF交換してある」


「有能」


「定時後の夜なら乗せてもらえるらしい」


「夜。夜かあ……」


「お前こんな時ぐらいは夜更かししろよ」


「いやいや! 身体作りには睡眠が資本だぜ!
 途中で寝かねない!」


「んなことで裏の仕事ができっかよお前……」


「ほんとにな!」





八千代は早寝だ。
晩飯食って、裏世界に行く準備をしてると
そのうちおやすみ〜ってあくび混じりの間抜けな声が聞こえて、
八千代の部屋は消灯して鍵がかかる。

裏世界には単位取る合間に行って、
暗くなる頃にはトレーニングとかしてるせいで疲れるらしいが、
それにしたってな。
睡眠とって背を伸ばすと息巻いてるが
未だに私よりチビだ。



「……もう部屋の電気消えてら。
 ま、その日は起きるように頑張るってことだし
 雲隠には連絡しとくか」


































































「急げ急げ!」
 



「どうにかしてあいつを出し抜いてやるんだ」
 



「舐めやがってクソ泥棒が
 俺たちを誰だと思ってやがる!」
 















「あ〜あ〜愉快な奴らめ」


「今更宝の位置を化かしたところで
 ワタシの目を誤魔化せるとでも思っているのか?

 管螺くだらナイン」


「九匹の管狐の若者によって構成された無頼衆。
 最近ちょっと名が知れてきたようだから
 ちょっかいかけてやろうと思ったんだが……」


「ったく、何だその必死ようは〜!
 小物臭が抜けとらんぞ〜修行が足りん!
 もっと格を上げなきゃダメだよ〜俱月宴とかみたいにさ」


「ほらがんばれ♡が〜んばれ♡
 急がないと予告の時間になっちゃう、ぞ!」


「時間だ」










怪盗ヤツカガミ
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<以下既知可情報>
裏世界に暗躍するという怪盗。
悪党が大好きで、『裏世界のお行儀悪い人』に限定して盗みを働く。

事前に予告状を出して現れる……が、
どのような姿形で現場にいるかはその時による。
屋根裏のヤモリのようにひっそり忍び込むこともあれば、
民衆を巻き込むド派手な立ち回りをすることもある。

その名は少なくとも百年以上前からどこかしらで囁かれてきたらしいが、
螺千城の悪党中心に狙いを定めているのは比較的最近のことと思われる。

表世界でその姿を見た者はいない正体看破はやめておくれ〜