RECORD
Eno.712 茅鳴 ほみの記録

年頃の女子にどんな返しをしたらいいかなんて、わからない。
それが少女の姿をした怪奇ならなおさらだ。
ちらと見てもやはりわからなかったので、「かわいいんじゃないの」と適当に言う。
ほみは「全然見てない〜」と文句を垂れながら、編入することになる学校への準備を進めていた。
その姿は、どこまでも人間の少女のようだ。
あの日逢ってしまったあの怪物は、
伸ばした手で俺を闇に引き摺り込むことはなく、
ただじっと見ていた、ような気がしたから。
観察をしてみることにした。
実験をしてみることにした。
途中で裏世界の秩序とやらに取り込まれたが、
その頃にはほみは既に少女に擬態していた。
数ヶ月を共にして、
まだ、ほみの考えていることは、わからない。
「調べ物のお手伝いをする」と言い出して、
とんとん拍子でテクノポリスの学籍を持ってきて、
俺を巻き込んで表で学生生活を行おうとしていることも。
本当に大丈夫なのかと漏れた言葉に、
と、あのにへっとした笑顔で言うことも。
経過観察が必要だ。
本当の姿を知るのは俺ひとりなのだから。
茅鳴直生の日誌 #1
「先生!
見て見て! 学校に着ていく服!
ほみ、かわいい?」
年頃の女子にどんな返しをしたらいいかなんて、わからない。
それが少女の姿をした怪奇ならなおさらだ。
ちらと見てもやはりわからなかったので、「かわいいんじゃないの」と適当に言う。
ほみは「全然見てない〜」と文句を垂れながら、編入することになる学校への準備を進めていた。
その姿は、どこまでも人間の少女のようだ。
あの日逢ってしまったあの怪物は、
伸ばした手で俺を闇に引き摺り込むことはなく、
ただじっと見ていた、ような気がしたから。
観察をしてみることにした。
実験をしてみることにした。
途中で裏世界の秩序とやらに取り込まれたが、
その頃にはほみは既に少女に擬態していた。
数ヶ月を共にして、
まだ、ほみの考えていることは、わからない。
「調べ物のお手伝いをする」と言い出して、
とんとん拍子でテクノポリスの学籍を持ってきて、
俺を巻き込んで表で学生生活を行おうとしていることも。
本当に大丈夫なのかと漏れた言葉に、
「わかってるよ!
ほみ、約束はちゃんと守るよ!」
経過観察が必要だ。
本当の姿を知るのは俺ひとりなのだから。