RECORD
Eno.251 鳴宮優希の記録
奏翔のご両親と妹さんに挨拶をした。
ご両親は優しく温かい人に見えた。
妹さんは、明るく元気な人に見えた。
僕の新しい 家族たち。
みんな、僕のことを歓迎してくれた。
僕は胸がぽかぽかしてきたんだ。

もう、誰も僕を縛らない。
好きに生きていて、良いんだ。
◇
その後、従兄である千聖さんに連絡が行った。
偶然にも北摩に来訪中だった千聖さんは、すぐに来てくれた。
葦原の皆さんが千聖さんに
これまでの虐待の証拠等を提出してくれて、
千聖さんは鳴宮本家に持ち帰ることになった。
きっと良い方向になることを、信じているよ。




やっぱりあの人は、僕のお母さまなのだから。
◇
奏翔は、音楽が好きなのにやめてしまったらしい。
“好き”に一生懸命に見える君が、どうして?
気になって尋ねて知ったのは、酷い事実で。
何かを“好き”になることは、悪いことじゃないのに。
“好き”に一生懸命になることは、悪いことじゃないのに。
奏翔は、ただ“好き”を表現していただけなのに、
それだけなのに、深く傷付けられた。
僕が百華と大喧嘩した時に奏翔が見せた傷付いた顔の、
その理由を知った気がするんだよ。

これだけは、言わせて。
僕は君のその“好き”を、全力で肯定したかった。
君のその“好き”が、好きだった。
君を眩しく思っている。
否定されて良い訳がない。
君は、何ひとつ悪くないのに。
僕の気持ちは伝わったかな。
君がやってくれてたみたいに、
君の背を撫でたんだ。
その後、約束をさらに交わした。
君のピアノを聴くことを、
きちんと約束の形にして。
ねぇ、ねぇ、もっと僕に、
君の心からの“好き”を色々と教えてよ。
そしたら世界がもっともっと鮮やかになる、気がしている。

僕は君みたいに、何かに優れてる訳じゃない。
何をやらせても器用貧乏。勉強は君も出来るしね。
分からない、分からない。
あぁ、だけど。

僕はそれを絶対に否定しない。
鮮やかなもの、いっぱい教えて。
【7.僕の出来ること】
奏翔のご両親と妹さんに挨拶をした。
ご両親は優しく温かい人に見えた。
妹さんは、明るく元気な人に見えた。
僕の新しい 家族たち。
みんな、僕のことを歓迎してくれた。
僕は胸がぽかぽかしてきたんだ。

「……よろしくお願いします」
もう、誰も僕を縛らない。
好きに生きていて、良いんだ。
◇
その後、従兄である千聖さんに連絡が行った。
偶然にも北摩に来訪中だった千聖さんは、すぐに来てくれた。
葦原の皆さんが千聖さんに
これまでの虐待の証拠等を提出してくれて、
千聖さんは鳴宮本家に持ち帰ることになった。
きっと良い方向になることを、信じているよ。

「……僕に色々としてきたお母さまへの、
強い処罰を望むかって?」

「……アラストルはね、
復讐しろって言ってるけど……」

「…………」
「……今後、もう関わってこないなら、僕はそれで」

「……それでも、嫌いになり切れないんだ」
やっぱりあの人は、僕のお母さまなのだから。
◇
奏翔は、音楽が好きなのにやめてしまったらしい。
“好き”に一生懸命に見える君が、どうして?
気になって尋ねて知ったのは、酷い事実で。
何かを“好き”になることは、悪いことじゃないのに。
“好き”に一生懸命になることは、悪いことじゃないのに。
奏翔は、ただ“好き”を表現していただけなのに、
それだけなのに、深く傷付けられた。
僕が百華と大喧嘩した時に奏翔が見せた傷付いた顔の、
その理由を知った気がするんだよ。

「──君は、悪くない」
これだけは、言わせて。
僕は君のその“好き”を、全力で肯定したかった。
君のその“好き”が、好きだった。
君を眩しく思っている。
否定されて良い訳がない。
君は、何ひとつ悪くないのに。
僕の気持ちは伝わったかな。
君がやってくれてたみたいに、
君の背を撫でたんだ。
その後、約束をさらに交わした。
君のピアノを聴くことを、
きちんと約束の形にして。
ねぇ、ねぇ、もっと僕に、
君の心からの“好き”を色々と教えてよ。
そしたら世界がもっともっと鮮やかになる、気がしている。

「……僕の出来ることは、何だろう」
僕は君みたいに、何かに優れてる訳じゃない。
何をやらせても器用貧乏。勉強は君も出来るしね。
分からない、分からない。
あぁ、だけど。

「……せめて君の隣で、
君の“好き”を肯定させ続けて欲しい」
僕はそれを絶対に否定しない。
鮮やかなもの、いっぱい教えて。