RECORD

Eno.67 黒井 瞳の記録

むかしばなし④

「よぉ、ババア」


声が聞こえ、老婆が振り向く。
視界の先にいたのは、一匹の黒猫……のような姿をした何か。
“それ”が放つ異様な気配を老婆は一瞬で感じ取り、警戒する。

「おいおい、なんだよその態度
 んな短刀モン持って……もしかして警戒してんのか?」


目の前にいる黒猫が、この世の者ではないと誘った老婆。

「貴様……何者じゃ」


ゆっくりと後退りをしながら問いかける老婆に、黒猫は大きく笑った。

「ハハッ!本気で言ってんのか?
 さっきまで必死になって、名前まで呼んでたってのによぉ」


曇っていた老婆の顔が、さらに強張る。

(まさか、此奴が……
 ありえんッ!そんなバカな――)











































「  頭を垂れよ、人間 

       我が “死神シガミ” なり  」