RECORD

Eno.1015 灰原 よたの記録

天体観測_09


















計測結果、14.0。
僕の、現在暫定の視力だ。


測定は多摩科連で行った。カレントコーポレーション協賛の下。
計測結果にほとんど狂いがないことは、確認済み。




正しく、『普通』でない烙印を押された時。
僕は、




















/Eno.457さまのPC・当該ログをお借りしております





















友達のひとりにそのことを話した。




縁という意味では細い方だろう、と思っている。
いつかに挙げた仲でも、『裏世界』がなければきっと関わらなかった。
それだけじゃない。お互いの偶然が重なった結果だ。


運命的、と言えばそうかもしれない。
ただ、僕らはきっと、これも、「ありふれている」「もしもの内の一つ」として数える。





閑話休題。













“見え足りない”という表現は、的確に僕の心理を突いていた。
見え足りない。神秘や裏世界に関係なく、僕が常日頃から、少し、感じていたこと。






たとえば星を肉眼で観測しようと思うなら、当然、等級や距離によって、
観測できる数には限りが出てくる。
人間の身体には限界があって、それを越えて星を観ることはできない。


と、思っていた。
今までは。






だから、僕は望遠鏡を手放さないし、観測結果も書き記す。
忘れないようメモに留めて、検索して調査して、そうして他者の見聞も含めて広げていく。
人ひとりでは、到底、足りないことだから。


















“見え足りない”を無視できなくなったのは、
裏世界に訪れてからのことだ。




故に、僕は、これと神秘が関係ないものであることを立証できない。
そもそも、物心ついた頃から、僕のものの見え方───視力はおかしかった。




いつから、観えていたのか。
いつから、観えないと思うようになったのか。
それを掘り下げる度に、普通から離れていく。世界の正しさからずれていく。

















怖い?


……怖くはない。
















もっとも怖いのは、
















『まぁ、俺のほうも
 自分の“神秘”ってのがどんなもんだか分かったら、
 いのいちに報告してやるよ。』




















「悪くない賭けですね」


















もっとも怖いのは、それを誰にも理解されないことだ。




生憎と、僕は期待してしまった。
悪くない賭けだと思った。
一生来ないかもしれない報告が、来ればいいと感じた。


……。






人によっては、この感覚すらも理解されないだろう。
他人を、『普通』の領域にいる者を巻き込むべきでない、と。













君はどうだろう?