RECORD
Eno.46 篠目 樹の記録
act 2
半年前、十一月終わりの頃だった。
中学生三年生の自分は進路先に悩んでいた。と言うのも、なりたい者が見つからないしそもそも余りマザーに負担を掛けたくなかったから。
小、中学校の学費だけでかなりの額、それに加えて高校の学費となると相当なお金が必要になる。マザーは『気にするな』と言っていたが、気にするなと言われて気にしない者がこの世にどれくらい居るのだろうか。
「はぁ……」
そんな悩みを抱えながら一人、教会で礼拝をしていた。していただけだった。
「ッ!……あ?……血?」
いつの間にか頬を裂かれていた。何も聞こえない、見えない、居ない筈なのに。
慌てて周囲を探っても何もない処か文字通り世界が歪んで見えた。
「なっな……なんだよこれ!?」
気付けば全く知らない場所に居た、自分の育った教会は見る影もなく。
ただ、不気味な模様のステンドグラスが落ちない夕日で照らされていた。
────


中学生三年生の自分は進路先に悩んでいた。と言うのも、なりたい者が見つからないしそもそも余りマザーに負担を掛けたくなかったから。
小、中学校の学費だけでかなりの額、それに加えて高校の学費となると相当なお金が必要になる。マザーは『気にするな』と言っていたが、気にするなと言われて気にしない者がこの世にどれくらい居るのだろうか。
「はぁ……」
そんな悩みを抱えながら一人、教会で礼拝をしていた。していただけだった。
「ッ!……あ?……血?」
いつの間にか頬を裂かれていた。何も聞こえない、見えない、居ない筈なのに。
慌てて周囲を探っても何もない処か文字通り世界が歪んで見えた。
「なっな……なんだよこれ!?」
気付けば全く知らない場所に居た、自分の育った教会は見る影もなく。
ただ、不気味な模様のステンドグラスが落ちない夕日で照らされていた。
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「今思えば入ったときから何か違和感が有ったかもしれん、良く分かんなかったけど」

「俺以外が巻き込まれなくて本当に良かった」