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Eno.372 橘ネムの記録

【研究レポート3】エンダー化

メフィスターによる甚大な神秘氾濫が引き起こされる状態を、エンダー化という。
メフィスターは形而学心象心理…つまり自分の精神世界を武装として外界に露出させる以上、精神が常に外界に晒される事となる。
それは武装だけではなく、メフィスター本人の精神も同様に自己の精神性を前面に出す事につながる。

故に、メタフィジカ発動中のメフィスターは精神が先鋭化される傾向にあるのだ。

先鋭化した精神に何らかの影響を与える要素が存在し、それにより精神の安定を欠いてしまった場合、その精神は大きく崩れる。
メフィスターの場合、心象心理を武装化している関係上そうした精神の変化は武装にも影響を及ぼす。
その結果、精神性により武装が変質するという事例も数件報告がなされている。

だが、強い影響により精神が大きく揺さぶられた場合、メタフィジカはその影響を武装以上に引き出す場合がある。
精神の崩壊による自他境界の崩壊、それによる武装の広大化。
外界の法則を強制的に塗り替え、自分の世界を形成してしまうそれは、神秘氾濫を招く危険なファクターだ。
そして精神が完全に崩壊した場合、メフィスターは自己という単一世界を完全に汚染させ、不可逆な変化をもたらしてしまう。
これを【エンダー化】と呼ぶ。

エンダー化したメフィスターは、元の姿に戻ることはない。
完全に自分の世界そのものの姿となり、元あった自分の体は失われてしまうからだ。
引き換えに、エンダー化したメフィスターは強力な世界への影響力を得る事となるだろう。
自己の世界を他に押し付けることのできるようになったエンダーは、世界そのものの脅威となってしまう。

一説によると、エンダー化時に形成される姿はメフィスターの形而上心象心理に存在する”悪魔”に由来したものになるという。
何故悪魔の形をとるのか、悪魔との関係性は、今の所明らかになっていない。
説として有力なのは「メフィスターは悪魔の概念と無意識的につながっており、エンダー化によってそのつながりが完全なものとなってしまう」というものだが、未だ確証には至っていない。
もしその説が正しいのであれば、この世界にかつて存在した悪魔が顕現しているということになる。
エンダー個体の能力が他を隔絶したものである事も、納得だろう。