RECORD

Eno.492 伏見 陽花の記録

『特別』

初めてそれを手にした時は、何が起きたのか分からなかった。
けれど、その力が自分の窮地を救ったことだけは分かった。

迸る閃光が迫るよく分からないモノを撃ち抜く。
それが私が初めて手にした神秘の力だった。



世界には色んな人がいる。
その一人一人はみんな違ってて、みんな特別だ。

……そんな綺麗事が事実ほんとうだったらよかったのに。

現実だと能力次第で平凡替えの利く存在になってしまう。
それは、能力の優劣があれば仕方のないこと。社会の歯車。
でも、私はそういう存在になりたくない。替えの利かない、自分だけの価値が欲しかった。


だから、その武器を手に入れた時はワクワクした。
平凡じゃない、非凡になることのできる道具。
非日常へと足を踏み入れることが出来る武器。
それは安全なものじゃないとしても、平凡な私が、私だけにしか出来ないことが出来るんだって。

…そう思っていたいんだ。
だから、他の誰かに、もっと上手く使える人が現れないように。
私だけが持ち続けて、私が一番この銃を使いこなしてみせる。


















【対霊・神秘光銃"VALKYRIE"について】

『科学の力だけの力では神秘、特に霊体に対して有効打を与えることが難しい』

『だが神秘となる未解明の力を弾薬に用いれば、この問題を解決することが出来る』

『この”VALKYRIE"はそこに着目し、開発して作り上げた武器となります』

『すなわち―――これは、「魂をエネルギーとして撃ち出す」武器となります』

『撃ち出すのは己自身。その弾道は使用者の意思が反映され、確実に標的を撃ち抜く』

『しかし魂を弾薬にするということは、命を削りやがて死に至るということ』

『それは誰にでも扱える武器でありながら、死に近づくために誰も扱いたがらない武器』

『造命であるクローン兵に持たせて運用するのがいいでしょう』

                ─────────────”VALKYRIE-A1”開発者、■■ ■■■