RECORD

Eno.67 黒井 瞳の記録

むかしばなし 終

「もうすぐだ」


少女二人を連れて、歩き続ける黒猫。
途中、フラフラと近寄る怪奇を威圧し遠ざけながら少女たちを守って。
奇怪な景色を通り抜けて、辿り着いたのは廃神社

「この鳥居を潜れば、表世界向こうに戻れる」


少女たちの目の前には、黒ずんだ鳥居が一つ。
謎の力を宿したソレは、潜ればどこかに繋がっているようで。

「だが一個だけ気をつけろ
 鳥居を潜った後は何があっても絶対に振り向くな
 物音がしても、声をかけられても、だ……絶対にな」


「分かりました
 ねっ、あきらちゃん」


未だ怯えるあきらは、もう一人の少女の手を握りながら、小さく頷く。

「ならさっさと行け、家族が心配してる」


長髪の少女が頷き、あきらに声をかける。
すると、あきらは鳥居ではなく黒猫に近づき――ギュッと、優しく抱き着いた。

「おいっ、嬢ちゃん、何して――」


「ありがと、クロ
 あたしのこと、たすけてくれて」


人でもなく、猫でもない。
自分は生を持たぬ死神だというのに、
あきらの震える体からは、とても優しい温もりを感じた。

二人の少女が鳥居を潜り、姿が消えるまで鳥居の前に佇む黒猫。
姿が消えれば、また尾をゆらりと動かして、その場から立ち去っていった。




















お嬢ちゃんたちが戻れたのはいいが……くそっ



















































早く――あのババアを探さねえと