RECORD
Eno.559 赫岬理恵子/理恵奈/理恵美の記録
赤い靴の群れ──ここに増えている
ついに、お仕事をしたのよ。
本当のお仕事。学校の勉強じゃなくて、お金がもらえるお仕事。
ひとつめは、庭園のお手入れ。
でも最初、間違えちゃったの。学校の中庭の方に行ってしまって、「あれ?」って思って、慌てて戻ったの。
本当の場所は、もっと静かで広くて、ガゼボのある西洋風の庭園だったの。
白い小屋みたいな形のガゼボ。つる草が絡んでいて、そこに小鳥がとまっていたわ。
私は落ちた花びらを集めたり、歩道の端に積もった土を掃いたりしたの。
風が吹くたびに、葉っぱがまた舞ってきて、「終わらないのね」って言ったのだけれど、それでも、楽しかったわ。
ふたつめは、セレニティーウォークという場所での清掃。駅の近くの通路で、すでに他の人たちが掃除してくれていたから、ほとんど綺麗だったわ。
でも私は、隙間や柵の陰、排水溝のまわりまで、目を凝らして探したの。
ゴミを見つけると、なんだか嬉しかったのよ。不思議ね。
お金も、ちゃんともらえたの。
増えた数字を見て、思ったの。
——これで、私は役に立てたのだわ。
たぶん、これが「社会に溶け込む」ってこと。
誰かの役に立って、お金をもらって、また呼ばれるのを待つの。
少しずつ、私がしたことが増えている。
……私が、ここに増えている。
本当のお仕事。学校の勉強じゃなくて、お金がもらえるお仕事。
ひとつめは、庭園のお手入れ。
でも最初、間違えちゃったの。学校の中庭の方に行ってしまって、「あれ?」って思って、慌てて戻ったの。
本当の場所は、もっと静かで広くて、ガゼボのある西洋風の庭園だったの。
白い小屋みたいな形のガゼボ。つる草が絡んでいて、そこに小鳥がとまっていたわ。
私は落ちた花びらを集めたり、歩道の端に積もった土を掃いたりしたの。
風が吹くたびに、葉っぱがまた舞ってきて、「終わらないのね」って言ったのだけれど、それでも、楽しかったわ。
ふたつめは、セレニティーウォークという場所での清掃。駅の近くの通路で、すでに他の人たちが掃除してくれていたから、ほとんど綺麗だったわ。
でも私は、隙間や柵の陰、排水溝のまわりまで、目を凝らして探したの。
ゴミを見つけると、なんだか嬉しかったのよ。不思議ね。
お金も、ちゃんともらえたの。
増えた数字を見て、思ったの。
——これで、私は役に立てたのだわ。
たぶん、これが「社会に溶け込む」ってこと。
誰かの役に立って、お金をもらって、また呼ばれるのを待つの。
少しずつ、私がしたことが増えている。
……私が、ここに増えている。